2014年10月27日月曜日

選考コメント公開!

選考コメントをすべて公開します。
選考員たちの思いのつまったコメントが集まっています。
どんな思いで選んだのかが下のリンクからご覧になれます。


「とっとり 秋の読書大賞2014」コメント集


本を選ぶ際の参考になったら幸いです。

大賞決定!

今年もこの日を迎えることができました。

ご協力いただいた方々には心より感謝いたします。

ノミネート作品を読んだ上で、1,2,3位という順位をつけて選考員に投票してもらい、1位=5ポイント、2位=3ポイント、3位=1ポイントで集計しました。
その結果、以下のように「とっとり 秋の読書大賞2014」の大賞が決定しました!



















大賞(56ポイント)
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』 佐々涼子


著者の佐々涼子様より受賞のコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
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このたびは、素晴らしい賞をありがとうございました。この本は東日本大震災に襲われた人々の証言から作られています。私は、ここに出てくるあらゆる人々の行動を、自分のバリエーションとして書きました。いざとなったら、人のものを盗らないだろうか、悪口を言わないだろうか、私には自信がありません。だからこそ、懸命に避難誘導をした人を、復興に尽力した人を、懸命に立ち上がろうとする人々を、記録に遺しておきたいと思ったのです。どうぞ、自分たちが社会を支えてみせると覚悟した人の強さを覚えていてください。そして、私たちはみな誰かに支えられている。多くの方に、その奇跡のような事実に触れていただきたいと願っています。



                       2014年10月吉日

                       佐々涼子


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2位(51ポイント)
『本屋さんのダイアナ』 柚木麻子


3位(22ポイント)
『初恋料理教室』 藤野恵美








さて、なんとかここまで漕ぎつけることができました今年の「あきどく」。
 1次投票の出足の遅さに、「すわ、中止か!?」とおののいた〆切前日。大接戦に手に汗握った2次投票集計日。投票窓口担当のパソコンがクラッシュした夜……と、いろいろなことを乗り越えて、スタッフ一同、ほっとひと息ついています。これも皆さまのおかげです。ありがとうございます!
もうちょっとだけ、関連したお知らせをアップする予定ですので、今しばらくあきどくを見守っていただきますようよろしくお願いします。


2014年10月26日日曜日

コメント紹介 その6

大賞発表もいよいよ明日です。
よろしくお願いいたします。



・『女子の人間関係 整理整頓』水島広子
ジェンダー論や心理学的なアプローチで女子独特の人間関係を解き明かす…と難しいことは考えず女友達同士で「あるある~」「わかるわかる~」と読むのが楽しい。



・『校閲ガール』宮木あや子
舞台は出版社。お仕事のエンタメ小説。校閲部に配属されている主人公・河野悦子はファッション誌を愛し、おしゃれ好きで少し生意気。話のテンポが良く、痛快で楽しく読める。校閲の仕事のこともわかります。



・『"ありのまま"の自分に気づく』小池龍之介
「○○になりたい」という気持ちは向上心だと思っていましたが、自分を苦しめているのだという発想にハッとさせられました。同じように考えている人に読んでほしいです。



2014年10月23日木曜日

コメント紹介 その5


・『ねずみに支配された島』ウィリアム・ソウルゼンバーグ
ねずみなどの外来生物が島の固有種に与える影響の大きさに驚く。また人がどこまで生態系に手をだしていいのか考えさせられる。



・『「もの」はどのようにつくられているのか?   プロダクトデザインのプロセス事典』クリス・レフテリ
本で楽しむ工場見学です。



・『データの見えざる手  ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』矢野和男
病気の予防ができるまで遺伝子検査の精度が上がったことに驚いたくらい科学音痴だが、「人間や社会には普遍的な法則があるのか、ないのか。」を論じたこの本にも驚いた。SF小説などに出てくるディストピアのことが頭をよぎらないわけではないけど、紆余曲折はありつつもおそらくこのような流れは止められないのだろう。それならば少しでも知識を増やして前向きに受け止められるようにしておきたい。











2014年10月16日木曜日

コメント紹介 その4




・『3年7組食物調理科』須藤靖貴
高校生たちが調理師免許取得することへの厳しさや調理に対する気持ちがよく描かれていました。



・『生まれた時からアルデンテ』平野紗季子
生まれた時から「パスタ」で「アルデンテ」だった「フードブロガー」が書く、食にまつわるあれこれは、「スパゲティー」時代生まれの私には、キラキラ光って見えました。



・『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』渡辺俊美
高校生の息子のために毎日作ったお弁当についてのエッセイと、お弁当の写真をまとめた1冊です。毎日作り続けるためには気合を入れすぎないことと言いつつも、旬の食材を使い栄養や盛付けにも心を配って作られたお弁当はどれも美味しそうで、息子への愛情があふれています。そのお弁当を残さずぺろりと食べて帰る息子もまた、お父さんのことが大好きなのだと思いました。お弁当を作る人にも、作ってもらっている人にもおすすめの本です。















2014年10月11日土曜日

今年のポスターです。


ツイッターのアイコンはすでに変更したのですが、今年はこんな感じです。
いかがでしょうか。


2014年10月9日木曜日

コメント紹介 その3






・『太陽の棘』原田マハ
戦後間もない沖縄で知り合った米軍医師のエドと日本人画家のタイラは美術を介してお互いの魂が強く結びつく。実話をもとに描かれており、自然と涙がこみ上げてきた。戦争について深く考えさせられる作品でもある。



・『ぼくたちはなぜ、学校へ行くのか。 マララ・ユスフザイさんの国連演説から考える』石井光太(文)
子どもたちには、考える言葉・気持ちを伝える言葉を身に付けてほしい。そして私たち大人はその言葉にちゃんと耳を傾けたい。



・『翻訳がつくる日本語』中村桃子
洋画や外国文学の中では何故「~だわ」「~のよ」といった過剰な女ことばが使われるのだろうか。黒人俳優演じる乳母は何故「東北弁」を話すのか。これはそうした疑問に答えてくれる、そして翻訳の見方が変わる一冊。








2014年10月2日木曜日

コメント紹介 その2

・『切断ヴィーナス』越智貴雄

義足を誇らしげに見せる女性達の写真に眼が釘付けになる。メタリックに光る義足、優美に彩られた義足、どれも美しく、それをつけた女性たちもまた力強く美しい。写真を見ていた高校生の「かっこいい!」という言葉がまさにぴったりだと思う。



・『ビビリ』EXILE HIRO
生徒におすすめされて読んだエッセイ。タイトルはEXILEを牽引してきた著者が自覚する性格からなのですが、だからこそ控えめで、周りの人を思いやることができるのですね。グループが支持され続ける理由がわかる1冊。



・『骨を彩る』彩瀬まる
誰もが心の奥底に抱える喪失感や痛みをそっとすくいあげる連作短編集。骨を蝕む黒い染み。その痛みにとらわれて、世界が灰色に感じられることもある。けれど世界は暗いままではなく、降り積もる時間や、かけられたふとした言葉で、目に映る世界は彩りをまとう。鮮やかに、美しく。表紙を彩る黄金色の銀杏の葉で二編がつながったとき、心が震えた。ここにある光を「誰かに手渡したい」と思う。